先天性心疾患。生まれつきの心臓病 ~経過その3~

2011年10月04日

前回 お伝えしたVSD(心室中隔欠損症)の半年後の検診です。今回も、結果は”良い”もので飼い主様の了解を頂いて報告いたします♪

初めて読まれる方は、http://iguchi-ahp.com/column/2011/279/ の続き となりますので、もしよければ、飛んでみてくださいね。

この半年間、病気もなく来院もなかったので、久々にあったら・・・身体が大きくなってる~!!!

性格も~~~~~元気いっぱいで 前回の診察時よりも病院内でハシャイでる(笑)

・・・・・皆さんの気になる結果ですが、

前にお話しした通り、心室中隔欠損症(以下VSD)に、少し修飾語の付いた名前の 「 制限性VSD 」のままで安定してました!!!

本来 心臓の右のポンプと左のポンプとは壁で隔てられてるのですが、この子は穴が開いていて、血液が本来ない方向にも流れているのです。

少し生理学的なお話になってしまいますが・・・・

血液の流れは、圧力の高い方から 圧力の低い方へ流れる(圧較差がないと流れない)のです。

この穴が小さい = 短絡量は少ない(左→右へ) = 右と左の部屋の圧の差がある = 短絡血流の流れが速い のです。

VSDは病態が進むほど、穴が大きいと ⇒ 短絡量が多くなる(左→右へ) ⇒ 右と左の圧の差がなくなる ⇒ 短絡血流の流れが遅くor流れなくなる ⇒さらに進むと流れが”逆になる”(右→左へ) ことも!

病気にもよるのですが、VSDの場合、雑音が大きいほど(右側で聞こえる)、悪化してない!って事なのです。逆にいうと、悪化すると雑音が聞こえなくなったりするのです。

 

少し難しい話のままになっちゃいましたが戻すと、一歳(成長に伴う血行動態が落ち着く年齢)でも、短絡血流の速度が速い(左心室と右心室との圧較差が保たれている)状態でしたので、

心臓はそんなに負担を受けていない

⇒この病気が寿命には影響を与える可能性は低い(寿命を縮める可能性は低い)

お薬もいらず、普通の生活ができる! 状態でした。  と前の報告と同じ図式が成り立つ 良い結果♪

 

検診もあとは、何か変わった症状がなければ 1年後でいいくらい!