先天性心疾患。生まれつきの心臓病~その2~
2011年05月11日
VSD
昨日の心臓病検診で、よい結果(!?)がでたので、飼い主様の許可も頂き紹介を。
昨日でちょうど6か月齢の柴犬さん。2か月前のワクチンで心臓に雑音があったようで・・・・聴診器を使わずとも手を胸に当てるだけでもザッザッ。飼い主様も生活を始めてから感じていたようです。元気いっぱいで、特に症状もないようでした。 当院を受診をきっかけに、心臓検査に!
検査の結果、病名は“心室中隔欠損症(KirKlinⅡ型)”
ってなに?
右と左の心臓は、中隔という壁で分けられているのですが、その壁に穴が開いている(閉じていない)状態。
この病気はこの穴による血液の流れ(短絡血流)の多いか少ないかが、大きな分かれ目になってくるのです。
幸い、2か月前の検査の時点では心臓は負担を示すような所見がなかったため内服もいらず経過観察。
成長に伴い血液の流れる量も、当然増えてきますので、心臓に変化がないか2か月振りの検診・・・2か月間での変化がないのを期待しつつ・・・・・検査を進めていきました。
・・・・・・結果、今回の6ヶ月齢の時点でも変化ないことから、「 “制限性”の心室中隔欠損症 」と少し修飾語がついて、名前も少し変化。
どういうこと?って言うと、本来ないハズの穴からの血液の正しくない方向への血流量も少ないので、心臓の負担は少しですんでいたのです。
言い換えると → 生命予後への影響も少ない
さらに言い換えると→ この病気が寿命には影響を与える可能性は低い(寿命を縮める可能性は低い)
つまり → お薬もいらず、普通の生活ができる! 状態でした。
「厳しい運動制限なんていらないです。通常通りの生活で大丈夫ですよ」ってインフォームを聞いていたのか、お話し中も自分にジャレてきてくれました♪
もちろん、まだまだ成長中なので、成長がある程度落ち着く1歳齢(人間でいう高校生くらい)で、もう一回検査してみるまでは分からないですが。。。
なので次回の検査は半年後。 その時に問題がなければ、検診も1年間隔で念のため。 半年後も、この子に「大丈夫だったねっ」って言える結果になることを願いつつ・・・。。。 今日はココでおしまい。